まず Cartan 部分環は $ W_n $ のゼロ次の斉次部分がちょうど一般線型群の Lie 環 $ \lie{gl}_n $ と一致するのでその Cartan 部分環(具体的には対角行列の全体)をとる。対角成分を取り出す線型形式を $ \epsilon_i $ と書く。
正ルートは無限個ある。負ルートは有限個。具体的には
$ \Delta^+ = \{ \epsilon_i - \epsilon_j (i > j) \} \cup \{ \sum_{l = 1}^{k + 1} \epsilon_{i_l} - \epsilon_j (k > 0) \} $
最初の集合は単に $ \lie{gl}_n $ の正ルートであって、後ろの集合は次数が $ 1 $ 以上の斉次部分のルートを表す。もちろんルートの重複度は $ 1 $ ではない。
$ \Delta^- = \{ \epsilon_i - \epsilon_j (i < j) \} \cup \{ - \epsilon_i \} $
こちらは全てルートの重複度が $ 1 $ になる。
単純ルートは
$ \Pi = \{ \alpha_i = \epsilon_i - \epsilon_{i + 1} (1 \leq i \leq n - 1) ; \alpha_n = -\epsilon_1 + 2 \epsilon_n \} $
の $ n $ 個で、その性質としては「基底であって」、「全ての正ルートはその非負整係数の一次結合で表すことができる」という2点があげられる。単純ルートの定義については若干疑問の残るところ。しかしこれでよいと思う。
$ Q $ はルートの格子であるが、実際には $ \epsilon_i $ たちの整係数一次結合全体。
$ \rho = (n/2, n/2 - 1, \cdots, (2 - n)/2) = 1/2 \sum_i (n - 2 (i - 1)) \epsilon_i $
を負ルートの和の半分の $ -1 $ 倍として定義する。(正ルートの和の半分ではない; このような定義がよい定義なのかどうかは自信がない)