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(弱い意味の)保型関数と保型形式と尖点形式

以下はセールの「数論講義」からの受売り。間違っている分はもちろん西山の責任。
  1. 一番原始的な上半平面の場合。保型性は数論的な離散部分群の作用に関する相対不変性(?)を意味する。これは微分形式の巾乗を掛けた時の不変性といってもよい。離散系列表現(あるいはそれを含む主系列表現)の元と思うならば、単に離散群の作用によって不変な関数である。(multiplier は表現の定義によって出てきてウェイトは離散系列表現のパラメータを与える)

  2. 弱い意味の保型関数は上半平面で有理型の関数。保型関数は無限遠点まで込めて有理型。保型形式は無限遠点まで込めて上半平面で正則。尖点形式はその上に無限遠点で消えるもの。

  3. 例) Eisenstein 級数。 lattice の元をウェイト乗だけして(逆数をとって?)総和したもの。ちなみに lattice が上半平面の点に対応する。

  4. 同じウェイトを持つ保型関数の商は lattice 上の関数を定める。これは種数一のリーマン面のモデュライ上の関数といってもよいから、要するに Riemann 球面上の一変数関数体の元である。従って $ j $ 関数の有理式として表すことができる。

  5. Weierstrass のペー関数:この関数は lattice を決めるごとに決まる楕円関数だが、楕円関数として冪級数展開するとその係数が Eisenstein 級数を与える。つまりペー関数は Eisenstein 級数の母関数である。 ペー関数の構成において現れる「繰り込み」の操作は面白い。中心拡大と関係する?