教科書のミスプリ情報


* 基礎課程 微分積分 *

西山享
「基礎課程 微分積分 I -- 1 変数の微積分 --」 サイエンス社、1998年12月10日初版発行 [ISBN4-7819-0894-2]

  1. p. 5, 脚注 ; infinimum → infimum [お恥ずかしい]

  2. * p. 9, ↓3行目 [0, k] → [0, k) (二カ所)

  3. p. 9, 演習 1.2.5 で区間(あるいは集合)の単調減少列、単調増加列について言及されているが、その定義がない。あるいは実数列の単調増加、単調減少と混同してしまう。

  4. p. 10, 「連結な集合と不連結な集合」の図において、図は2次元だが、解説は実数の集合(一次元)である。

  5. p. 11, 1.3 節「複素数」において、複素数の開集合、閉集合の定義がない。

  6. p. 18, 演習 1.3.8 (1) ; a \conjugate{b} - \conjugate{a} b = 0 → a \conjugate{b} + \conjugate{a} b = 0 [\conjugate は複素共役を表します]

    p. 18, 演習 1.3.8 (2) ; (z - a) (\conjugate{z} - \conjugate{b}) = (\conjugate{z} - \conjugate{a}) (z - b) → (z - a) (\conjugate{z} - \conjugate{b}) + (\conjugate{z} - \conjugate{a}) (z - b) = 0 [\conjugate は複素共役を表します]

  7. p. 40 最下行 ; j_m の定義で、 I_m が空集合の時には j_m = m + 1 とおく。

  8. p. 46, 演習 3.2.6 の式の右辺、総和記号において j の動く範囲は n - k - 2 j ≧ 0 に制限する。 もしこれが負の場合には、二項係数の一方は(定義により)ゼロとなり、式そのものは誤りではないが、混乱を招く。

  9. p. 49 演習 3.2.10 (3) ; n = 1 → n = 0 [総和記号の下部]

  10. p. 60 ↑ (本文) 3 行目 ; 「ログ・エックス」読んでいます → 「ログ・エックス」と読んでいます

  11. p. 63 ↓ 5-6 行目 ; (co)sine hyperbolic → hyperbolic (co)sine

  12. p. 66 ↑ 7 行目 ; 1/2 → \sqrt{3}/2

  13. p. 92, 演習 5.4.7 (6) ; α > 0 → α < 0

  14. p. 97, ↑4行目(脚注含まず) ; n (n - 1) / 2 → n (n - 1) [2 が余分]

  15. p. 118 図中 y = ( x^2 - 2 ) / e^x → y = ( x^2 - 2 x ) / e^x [分子に x が抜けている]

  16. p. 180, ↓9行目 ; 4/3 → 2/3 [積分の直前の係数]

    p. 180, ↓10行目 ; 2 / \sqrt{3} → 1/ \sqrt{3}

  17. p. 180, 演習10.2.8 (1) の式中 ; B(n, \frac{l + 1}{m}) → B(n + 1, \frac{l + 1}{m})

    p. 180, 演習10.2.8 (2) の式中 ; B(n, \frac{l + 1}{m}) → B(n + 1, \frac{l + 1}{m})

    p. 180, 演習10.2.8 (2) の式中 ; \binomial{m}{k} → \binomial{n}{k} [二項係数の m が誤り、n が正しい]

  18. p. 184, ↑11行目 ; \sum_{n = m}^{\infty} → \sum_{n = m + 1}^{\infty} [総和記号の下付添字が m ではなく m + 1]

演習問題中難しいとの指摘があったものとその対策

  1. p. 27 演習 2.1.9 (4) ;

    [指摘] 通常の感覚なら、 Riemann 和に関連づけ、x^k の [0, 1] 区間上の積分(の逆数)として答を出すところですが、不幸にしてまだ積分を習っていない。(高校では Riemann 和を習っていないけど、面積と考えると良いかもしれない)。

    [対策] Pascal の公式を使う。これは二項定理を使うだけで簡単に証明できます。しかし Riemann 和と関連づける方が自然であると思います。
    Pascal の公式: \sigma(k) = \sum_{i = 1}^n i^k とおくとき、\sum_{k = 1}^m \binomial{m + 1}{k} \sigma(k) = (n + 1)^{m + 1} - (n + 1)

  2. p. 28 演習 2.1.10 ;

    [指摘] この数列は単調ではない。偶数項、奇数項だけを取れば単調で、互い違いに振動しながら極限値に近づく。しかし偶数項だけ、奇数項だけの漸化式をつくるのは計算量が多すぎ、その単調性を確認するのは容易ではない。

    [対策] a_{n + 1} - a_{n - 1} に漸化式を代入する(どちらの項にも代入する)と、a_n - a_{n - 2} と反対の符合を持つことが容易に分かります。したがって一つおきの階差は交互に符合を変える。だから偶数項だけ考えると a_{2 n} - a_{2 n - 2} は a_4 - a_2 > 0 と同符号。同様にして a_{2 n + 1} - a_{2 n - 1} は a_3 - a_1 < 0 と同符号です。したがってどちらも単調でそれぞれ極限を持つ。
    一方上と同じようにして |a_{n + 1} - a_n| < |a_n - a_{n - 1}|/4 なので、偶数列、奇数列共に同じ極限を持つ。したがって全体として一つの極限値に収束する。
    確かに難しかったですね。

その他のご指摘

  1. [指摘] :

    [言訳] :


西山享
「基礎課程 微分積分 II -- 多変数の微積分と微分方程式 --」 サイエンス社、1998年12月10日初版発行 [ISBN4-7819-0895-0]

  1. p. 15, ↓7行目 ; ||A|| の定義を「||A|| は A の成分の絶対値のうち最大のものに \sqrt{n m} を掛けたもの」とする。

  2. p. 20, 演習問題 11.3.8 (2) の式 ; = 4 x d/ dx → = - 4 x d/ dx (マイナスが抜けていました)

  3. p. 24, 例題 12.1.3 解答の式 ; d^2 f = ... - x y / (x^2 + y^2)^{3/2} dx dy + ... → d^2 f = ... - 2 x y / (x^2 + y^2)^{3/2} dx dy + ... (2 倍が抜けています)

  4. p. 24, 例題 12.1.3 解答の式 ; \sqrt{x^2 + y^2} の展開式中の (x - 1) (y - 1) の係数は - 1 / \sqrt{2} (2 倍が抜けています)

  5. p. 51 演習問題 13.3.5 ; 小問の (1) (2) は独立問題です。(これはミスプリとは言えません、明かな出題ミスです)
    問題の訂正 : Tex file [source] [dvi] [PostScript] (PostScript ファイルは PostScript プリンタさえあれば出力できます)
    なお、下記難問の部分参照。

  6. p. 66, 定理 15.1.1 の第2式、∂(u, v)/∂(x, y) の部分に絶対値をつける。

  7. p. 87, 演習 16.2.3 (3) ; y' + (tan x) y → y' - (tan x) y

  8. p. 95, ↓ 6行目 ; - (2 a + c) → + 2 a - c

    p. 95, ↓ 7行目 ; 2 a + c → 2 a - c

    p. 95, ↓ 8行目 ; x^3 - 6 x → - x^3 - 6 x

  9. p. 120, 文献 [6] 初等整数論講義 → 数論講義 (セール先生ごめんなさい)

演習問題中難しいとの指摘があったものとその対策

  1. p. 51 演習問題 13.3.5

    [指摘] 他の問題と比べて異様に難しい。(1) (2) はどうして良いか分からない。

    [対策] (1) (2) に関しては上にも書いたように出題ミスです。別個の問題として扱ってください。
    対策は上に訂正版を置きましたのでご覧下さい。しかしかなり難しいかも知れません。省略してもよいと思います。

    解きたいという方のためのヒント: (上のファイルをダウンロードしてください)

その他のご指摘

  1. [指摘] : 例題12.1.3 で、 Taylor 展開する関数が長さ関数だが、同じ長さ関数が $ o(...) $ の中にも現れる。 ある種の学生は $ f(x, y) $ の Taylor 展開の誤差項は $ o(f(x, y)^k) $ の形になると誤解しているようである。

    [言訳] : うーむ。 他の関数を例に取るべきだったかも知れません。

  2. [指摘] : 系 14.2.3 の証明はとても簡単なはずである。

    [言訳] : 全くご指摘通りです。ちょっと恥ずかしいことを書きました。 実際には、局所的に全微分として表わされる1形式(つまり閉1形式)がホモトピックな道の上では同一の積分値をとる、 という定理を頭に描いていたのだと思いますが、証明の方はぜんぜん局所的じゃないですしねぇ。 機会があれば書き換えたいと思います。

  3. [指摘] : 空間極座標 (p. 72) の緯度の取り方が通常と違っている。

    [言訳] : 通常は緯度は z 軸からの角度と取っているようですが、この本では xy 平面からの角度(つまり赤道面からの高度)にとってあります。理由は地球儀などで見慣れた表示だから分かりやすいだろうということです。
    したがって本書の表示では (θ, φ) [経度、緯度]の組が右手系になります。


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